MailgunからMailtrapへ:
移行ガイド
このガイドでは、MailgunからMailtrapへの移行に必要な基本的事項(用語の比較、SMTPやAPIの設定、その他の技術仕様)を解説いたします。
MailgunとMailtrapの主な違い
- Mailtrapは月額の定期プランを提供しており、リクエストに応じては年払い・年間プランのオプションも可能です。Mailgunとは異なり、Mailtrapに従量課金プランはありませんが、サービスを試して評価いただくために、メール1000通の永久無料プランを提供しております。
- Mailtrapはメール送信テストツールを提供しております。このツールはサンドボックスを使っており、受信者に送信する前にHTML/CSS、スパムスコアなどをチェックし、ステージング・開発・QA 環境でメールをデバッグできます。(注:MailgunはテストにSinch の Email on Acid を推奨しています。)
- Mailgunの場合、クレジットカードを追加していないアカウントに制限がありますが、Mailtrapにはそのような制限はありません。
- Mailtrapはバルクメールとユーザーがトリガーしたメール用に別々のストリーム(サーバーエンドポイント)を提供しています。
- MailtrapはHTMLとドラッグ&ドロップのメール作成ツールを提供しております。一方でMailgunはHTML テンプレートのみをサポートしていて、テンプレート作成とドラッグ&ドロップエディタにはSinchのMailjetの使用を推奨しています。
MailtrapとMailgunの類似点
- SMTPまたはREST APIを使った送信のサポート。
- return-pathレコードとDKIMを使ってドメインを検証できます。
- .csvファイルを追加して、抑制されたメールアドレスやメールリストをインポートできます。
- コーディングをせずに、登録解除オプションをメールに追加できます。
- メールキャンペーンの予約配信はどちらのサービスでも対応していますが、MailgunはメールAPI経由のみで可能です。
- 2FAのサポート。
用語の比較
- User Management
- Templates
- Suppressions
- Email Categories
- Webhooks
- Headers
- X-MT-Custom-Variables
- Multi User Access
- Mailgun Templates
- Suppressions
- Tags
- Webhooks
- X-headers
- X-Mailgun-Variables
移行のための一般的な手順
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Mailtrapにサインアップしたら、Sending Domainsメニューを選びます。ドメインを追加・確認してください。詳細はスタートガイドをご覧ください。
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SMTPサービスを選択した場合、Mailtrapが提供する認証情報に従って送信設定を変更します。詳細は下記のSMTPセクションをご覧ください。
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API連携を選択した場合は、APIドキュメントとMailtrapライブラリをご確認ください。
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Mailgunから連絡先リストをCSV*形式でエクスポートし、Mailtrapにインポートします。 ステップバイステップガイド をご確認ください。
お困りですか?
サポートチームにお問い合わせください。技術エキスパートがお手伝いいたします。
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HTMLでメールテンプレートをインポートしたり、HTMLまたはドラッグ&ドロップのテンプレートビルダーで新しいものを作成したりもできます。詳細はメールテンプレートガイドをご覧ください。
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月に20万通以上のメールを送信予定の方は、Mailtrapサポートに連絡することを強くお勧めいたします。サポートチームが移行プロセスのご支援をし、専用のIPアドレスを割り当て、すべてが正しく設定されているか確認いたします。
Mailtrap利用についてのヒント
送信リスクを軽減するために、ActionMailer Balancer でRuby gemを使い、2つの異なる送信サービス間でメール送信負荷を分散(たとえばMailgun 70%、Mailtrap 30%)しましょう。
*執筆時点では、Mailgun APIでのみメーリングリストをエクスポート(GET)できます。なお上限は100件でした。
はじめに
Mailtrapでメール送信を始めるには、アカウントを作成し、ドメインを認証するだけです。ドメインの設定と認証はSending Domainsメニューから行えます。手順の詳細はこの記事をお読みください。
ドメイン認証
- 提供されたDNSレコードでドメインが確認されると、自動コンプライアンスチェックが行われます。このプロセスは通常、数分から数時間かかります。コンプライアンスチェックがすべて終わり、ドメインの横に確認済みのステータスが表示されたら、はじめてメールを送信できます。
- Mailtrapで配信停止オプションを設定し、Mailgunから抑制リスト(CSV 形式)をインポートします。メールリストとHTMLテンプレートもMailtrapにインポートしてください。
- 必要に応じてWebhookを作成して、バウンス、スパム報告、開封、クリック、その他のイベントに関する情報を受け取るよう設定できます。
- 開封とクリックのトラッキングを有効にして、顧客がメールにどう反応しているか把握しましょう。
Mailtrap SMTP経由のメール送信
SMTPエンドポイント
Mailgun サーバー(EU) | Mailgun サーバー(米国) | |
live.smtp.mailtrap.io bulk.smtp.mailtrap.io | smtp.eu.mailgun.org | smtp.mailgun.org |
SMTPポート
ポート | 機能 |
587 | TSL付き推奨SMTPリレー |
25 | 高トラフィック(不正使用のため一部のメールプロバイダによりブロックされています) |
2525 | 他のポートで問題が発生した場合に備えるための代替ポート |
SMTP設定
Sending Domainsに移動し、メールを送信したい認証済みドメインをクリックします。Integration(連携)タブに移動し、送信したいメールの種類に応じてTransactionalまたはBulk Streamの下でIntegrateをクリックします。
選択したストリームの資格情報をアプリやプロジェクトにコピー&ペーストしたら、メール送信を始める準備が完了です。SMTP連携の詳細はこちらをご覧ください。
注: 認証情報に記載されているように、TLSをオンにする必要があります。
Mailtrap API経由のメール送信
Mailtrap APIトークン
Mailtrapでドメインを追加すると、自動的にトークンが作成されます。デフォルトでは、トークンにはドメイン管理者アクセス権が付与されています。なおトークンのアクセス権はSettings内のAPI Tokensメニューで編集できます。
APIトークンの管理方法の詳細は、ガイドをご覧ください。
APIマッピング
APIの種類 | Mailtrap | Mailgun |
The Basics | General | Introduction |
Sending | Send email | Messages |
Email Testing | Email Testing API |
APIライブラリ
現在Mailtrapでは、9のライブラリをご利用いただけます。
プログラミング言語 | Mailtrap | Mailgun |
Node.js | Node.js SDK | MailgunJS |
NodeMailer (Node.js) | NodeMailer SDK | 非対応 |
PHP | PHP SDK | MailgunPHP |
PHP (Laravel + Symphony) | PHP SDK | 非対応 |
Ruby | Ruby SDK | Mailgun Ruby Gem |
Ruby (ActionMailer) | ActionMailer SDK | 非対応 |
Python | Python SDK | 非対応 |
Elixir | Elixir SDK | 非対応 |
Java | Java SDK | Mailgun Java |
API認証
Bearer認証を使用しています。APIトークンをAuthorizationヘッダーの下のコード内に記述してください。
権限・ユーザー管理
Businessプラン以上をご利用の場合、アカウントにユーザーを追加し、権限を管理できます。設定画面でUser Management(ユーザー管理)メニューをクリックし、右側の三点リーダー(追加メニュー)をクリックしてください。また、APIを使ってユーザーと権限を管理することもできます。
各ユーザーは与えられた権限に基づいて、アプリの特定の機能を表示、アクセス、または変更できます。ユーザーが認証され、API経由でメールを送信するには、管理者権限が必要であることにご注意ください。
さらにMailtrapでは、アカウント内のすべてまたは一部のユーザーに対してアプリベースの2FAを有効または無効できます。また、すべてのユーザーに対して2FAを強制実施するオプションも提供しております。詳細は2FAガイドをご覧ください。
ユーザーの権限管理についてさらに学ぶには、こちらのリンク◀️をクリックしてください 。
スムーズな移行に便利なActionMailer Balancer
乗り換えを円滑にするために、MailtrapはRuby on Railsアプリケーション向けにActionMailer Balancerを提供しております。
ActionMailer拡張機能を使うと、2つの異なる送信サービス間でメール送信負荷を分散できるので、送信リスクを軽減できます。
Balancerをインストールし、何項目かの設定を行うと、ActionMailerの送信方法が拡張されます。
ボイラープレートおよび開発時の使用についての詳細は、MailtrapのActionMailer BalancerについてのGithubページをご覧ください。