MailgunからMailtrapへ:
移行ガイド

このガイドでは、MailgunからMailtrapへの移行に必要な基本的事項(用語の比較、SMTPやAPIの設定、その他の技術仕様)を解説いたします。

MailgunとMailtrapの主な違い

  1. Mailtrapは月額の定期プランを提供しており、リクエストに応じては年払い・年間プランのオプションも可能です。Mailgunとは異なり、Mailtrapに従量課金プランはありませんが、サービスを試して評価いただくために、メール1000通の永久無料プランを提供しております。
  2. Mailtrapはメール送信テストツールを提供しております。このツールはサンドボックスを使っており、受信者に送信する前にHTML/CSS、スパムスコアなどをチェックし、ステージング・開発・QA 環境でメールをデバッグできます。(注:MailgunはテストにSinch の Email on Acid を推奨しています。)
  3. Mailgunの場合、クレジットカードを追加していないアカウントに制限がありますが、Mailtrapにはそのような制限はありません。
  4. Mailtrapはバルクメールとユーザーがトリガーしたメール用に別々のストリーム(サーバーエンドポイント)を提供しています。
  5. MailtrapはHTMLとドラッグ&ドロップのメール作成ツールを提供しております。一方でMailgunはHTML テンプレートのみをサポートしていて、テンプレート作成とドラッグ&ドロップエディタにはSinchのMailjetの使用を推奨しています。

MailtrapとMailgunの類似点

  1. SMTPまたはREST APIを使った送信のサポート。
  2. return-pathレコードとDKIMを使ってドメインを検証できます。
  3. .csvファイルを追加して、抑制されたメールアドレスやメールリストをインポートできます。
  4. コーディングをせずに、登録解除オプションをメールに追加できます。
  5. メールキャンペーンの予約配信はどちらのサービスでも対応していますが、MailgunはメールAPI経由のみで可能です。
  6. 2FAのサポート。

用語の比較

  • Multi User Access
  • Mailgun Templates
  • Suppressions
  • Tags 
  • Webhooks
  • X-headers
  • X-Mailgun-Variables 

移行のための一般的な手順

  1. Mailtrapにサインアップしたら、Sending Domainsメニューを選びます。ドメインを追加・確認してください。詳細はスタートガイドをご覧ください。

  2. SMTPサービスを選択した場合、Mailtrapが提供する認証情報に従って送信設定を変更します。詳細は下記のSMTPセクションをご覧ください。

  3. API連携を選択した場合は、APIドキュメントMailtrapライブラリをご確認ください。

  4. Mailgunから連絡先リストをCSV*形式でエクスポートし、Mailtrapにインポートします。 ステップバイステップガイド をご確認ください。

    お困りですか?

    サポートチームにお問い合わせください。技術エキスパートがお手伝いいたします。

  5. HTMLでメールテンプレートをインポートしたり、HTMLまたはドラッグ&ドロップのテンプレートビルダーで新しいものを作成したりもできます。詳細はメールテンプレートガイドをご覧ください。

  6. 月に20万通以上のメールを送信予定の方は、Mailtrapサポートに連絡することを強くお勧めいたします。サポートチームが移行プロセスのご支援をし、専用のIPアドレスを割り当て、すべてが正しく設定されているか確認いたします。

    Mailtrap利用についてのヒント

    送信リスクを軽減するために、ActionMailer Balancer でRuby gemを使い、2つの異なる送信サービス間でメール送信負荷を分散(たとえばMailgun 70%、Mailtrap 30%)しましょう。

*執筆時点では、Mailgun APIでのみメーリングリストをエクスポート(GET)できます。なお上限は100件でした。

はじめに

Mailtrapでメール送信を始めるには、アカウントを作成し、ドメインを認証するだけです。ドメインの設定と認証はSending Domainsメニューから行えます。手順の詳細はこの記事をお読みください

ドメイン認証

  • 提供されたDNSレコードでドメインが確認されると、自動コンプライアンスチェックが行われます。このプロセスは通常、数分から数時間かかります。コンプライアンスチェックがすべて終わり、ドメインの横に確認済みのステータスが表示されたら、はじめてメールを送信できます。
ドメイン認証タブ - 認証済みドメイン
  • Mailtrapで配信停止オプションを設定し、Mailgunから抑制リスト(CSV 形式)をインポートします。メールリストとHTMLテンプレートもMailtrapにインポートしてください。
  • 必要に応じてWebhookを作成して、バウンス、スパム報告、開封、クリック、その他のイベントに関する情報を受け取るよう設定できます。
  • 開封とクリックのトラッキングを有効にして、顧客がメールにどう反応しているか把握しましょう。

Mailtrap SMTP経由のメール送信

SMTPエンドポイント

Mailgun サーバー(EU)Mailgun サーバー(米国)
live.smtp.mailtrap.io
bulk.smtp.mailtrap.io
smtp.eu.mailgun.orgsmtp.mailgun.org

SMTPポート

ポート機能
587TSL付き推奨SMTPリレー
25高トラフィック(不正使用のため一部のメールプロバイダによりブロックされています)
2525他のポートで問題が発生した場合に備えるための代替ポート

SMTP設定

Sending Domainsに移動し、メールを送信したい認証済みドメインをクリックします。Integration(連携)タブに移動し、送信したいメールの種類に応じてTransactionalまたはBulk Streamの下でIntegrateをクリックします。

Mailtrap Sending Domains Integration 選択タブ

選択したストリームの資格情報をアプリやプロジェクトにコピー&ペーストしたら、メール送信を始める準備が完了です。SMTP連携の詳細はこちらをご覧ください。

Mailtrap SMTP バルクストリーム Integration

注: 認証情報に記載されているように、TLSをオンにする必要があります。

Mailtrap API経由のメール送信

Mailtrap APIトークン

Mailtrapでドメインを追加すると、自動的にトークンが作成されます。デフォルトでは、トークンにはドメイン管理者アクセス権が付与されています。なおトークンのアクセス権はSettings内のAPI Tokensメニューで編集できます。

APIトークンの管理方法の詳細は、ガイドをご覧ください。

APIマッピング

APIの種類MailtrapMailgun
The BasicsGeneralIntroduction
SendingSend emailMessages
Email TestingEmail Testing API

APIライブラリ

現在Mailtrapでは、9のライブラリをご利用いただけます。

プログラミング言語MailtrapMailgun
Node.jsNode.js SDKMailgunJS
NodeMailer (Node.js)NodeMailer SDK非対応
PHPPHP SDKMailgunPHP
PHP (Laravel + Symphony)PHP SDK非対応
RubyRuby SDKMailgun Ruby Gem
Ruby (ActionMailer)ActionMailer SDK非対応
PythonPython SDK非対応
ElixirElixir SDK非対応
JavaJava SDKMailgun Java

API認証

Bearer認証を使用しています。APIトークンをAuthorizationヘッダーの下のコード内に記述してください。

権限・ユーザー管理

Businessプラン以上をご利用の場合、アカウントにユーザーを追加し、権限を管理できます。設定画面でUser Management(ユーザー管理)メニューをクリックし、右側の三点リーダー(追加メニュー)をクリックしてください。また、APIを使ってユーザーと権限を管理することもできます。

Mailtrap User Management メニュー

各ユーザーは与えられた権限に基づいて、アプリの特定の機能を表示、アクセス、または変更できます。ユーザーが認証され、API経由でメールを送信するには、管理者権限が必要であることにご注意ください。

さらにMailtrapでは、アカウント内のすべてまたは一部のユーザーに対してアプリベースの2FAを有効または無効できます。また、すべてのユーザーに対して2FAを強制実施するオプションも提供しております。詳細は2FAガイドをご覧ください。

ユーザーの権限管理についてさらに学ぶには、こちらのリンク◀️をクリックしてください 。

スムーズな移行に便利なActionMailer Balancer

乗り換えを円滑にするために、MailtrapはRuby on Railsアプリケーション向けにActionMailer Balancerを提供しております。

ActionMailer拡張機能を使うと、2つの異なる送信サービス間でメール送信負荷を分散できるので、送信リスクを軽減できます。

Balancerをインストールし、何項目かの設定を行うと、ActionMailerの送信方法が拡張されます。

ボイラープレートおよび開発時の使用についての詳細は、MailtrapのActionMailer BalancerについてのGithubページをご覧ください。