ソフトウェアエンジニアやメールマーケターの方にとってベストなプロバイダーを見つけるため、最も人気のある7つのSMTPプロバイダーを比較しました。
以下のセクションで、有力候補プロバイダーの概要、情報に基づいて適切にプロバイダーを選択する方法のメソッド、各プロバイダーの詳細なレビューをご紹介します。
さっそく見ていきましょう。
主要SMTPサービスプロバイダー:概要
- Mailtrapのメール配信システム:大規模なメール送信を行う企業に最適です。高いメール配信到達率を実現するよう設計されており、信頼性の高いSMTPと業界最高水準の分析機能を提供しています。
- SendGrid:SMTPメール配信に加えマーケティングツールを求める大企業向け。
- Mailgun: シンプルなSMTPサービスと充実したAPIドキュメントを求める企業向け。
- Mailchimp Transactional Email: 既存のMailchimpユーザーが、マーケティングサービスからTransactional Email(ユーザートリガー型メール)へ機能を拡張したい場合に最適。
- Amazon SES: コスパに優れ、完全に手動で設定すること(多くのコーディングが必要)を好む技術に精通したユーザーに最適。
- Mailjet: メールに加え、大規模なSMSマーケティングを実施したい企業向け。
- Postmark: ユーザー生成メールや一斉送信(バルク)メール送信のためのシンプルなSMTPサービスを望む企業向け。
以下の通り、各プロバイダーの概要を表にまとめました。それぞれのレビューを閲覧するにはリンクをクリックしてください。
| SMTPプロバイダー | 無料プラン | 料金体系 |
| Mailtrap | 月間3,500通 | 月額15ドルから(1万通) |
| SendGrid | 100通/日 | 月額15ドルから(1万5,000通) |
| Mailgun | 6,000通/月 | 月額15ドルから(1万通) |
| Mailchimp | 1,000通/月 | 月額12.30ドル(5,000通) |
| Amazon SES | 最初の12か月間:月間3,000通 | 従量課金制:1,000通あたり0.10ドル + 追加料金 |
| Mailjet | 月間6,000通 | 月額17ドルから(1万5,000通) |
| Postmark | 無料トライアルのみ | 月額15ドルから(1万通) |
*料金情報は2025年1月時点のデータを基にしています。最新の価格詳細については、各プロバイダーの公式ウェブサイトをご覧ください。
SMTPプロバイダーの比較基準
SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) プロバイダーを比較するにあたり、メールインフラ、価格、カスタマーエクスペリエンス、提供機能全体の最適なバランスを重視しました。
さらに(提供されている場合は)マーケティングプラットフォームとメール追跡オプションについても確認しています。
詳細は以下をご覧ください。
メールインフラストラクチャ
まずここでは、配信率・信頼性・拡張性についてご説明します。
配信到達率(デリバラビリティ)
メール配信到達率を重視する場合、以下が必要となります。
- DKIM、SPF、DMARCによるメール認証
- バウンスとスパム苦情の監視
- リアルタイムイベント通知のためのWebhooks
- 基本的なセグメンテーションと受信者管理のための抑制リスト
- 大量送信者向け専用IPアドレス
注記: 上記は、送信者が信頼されており、ドメイン名がブロックリストに登録されていないことを前提としています。万が一、ブロックリストに登録されている場合は、メールが直接スパムフォルダに振り分けられるのを防ぐため、まずレピュテーションを改善する必要があります。
配信到達率や受信トレイ到達率に関しては、SMTPプロバイダーによって異なります。そこで、独立した配信率テストを実施して、下記の同一条件下でプロバイダーを比較しました。
- 無料プラン
- 共有IP
- 同一メールテンプレート
- 受信トレイ到達率モニタリングのためのシードテスト
各SMTPプロバイダーのパフォーマンスは以下の通りです。
| SMTPサービス | メール配信結果 |
| Mailtrap | 受信トレイ: 78.8% タブ: 4.8% 迷惑メール: 14.4% 未着: 2.0% |
| Amazon SES | 受信トレイ: 77.1% タブ: 1.9% 迷惑メール: 20.0% 未着: 1.0% |
| Mailgun | 受信トレイ: 71.4% タブ: 3.8% 迷惑メール: 23.8% 未着: 1.0% |
| SendGrid | 受信トレイ: 61.0% タブ: 1.0% 迷惑メール: 17.1% 未着: 20.9% |
| Postmark | 受信トレイ: 83.3% タブ: 1.0% 迷惑メール: 14.3% 未着: 0.9% |
完全な結果と方法論については、当社のメール配信到達率比較についてのブログをご覧ください。
信頼性
(無料SMTPサーバーを使う場合でも)高い稼働率と最小限のサービス中断を保証するSMTPプロバイダーが見つけることは必須です。冗長化されたインフラストラクチャと堅牢な災害復旧メカニズムの実績があるプロバイダーを探してください。具体的には以下の要素が重要です。
- 複数サーバー(データセンターまたはサーバー設置場所)
- 単一障害点を防止しダウンタイムを最小化するストレージシステム
- ネットワーク冗長性(異なるプロバイダーからの冗長ネットワーク接続)
- 負荷分散とフェイルオーバー機構(Mailtrapの場合、SMTPメールサービスが1つ停止してしまった際にはActionMailerバランサーを使ってメールインフラをさらに強化できます。GitHubでご確認ください。)
スケーラビリティ
見込みの送信量と、成長に合わせて柔軟なプランや価格帯が提供されているかをご確認ください。例えば、Mailtrapメール配信API/SMTPのBasicプランでは月額1万通が10ドルから提供されています。そして月間10万通が必要になった場合でも、10倍の料金を支払うことなく簡単に上位プランにスケールアップできます。
料金設定
この記事で取り上げるプロバイダーを選定する上で、透明性が高く合理的な料金プランに着目しました。さらに、信頼性の高いメールインフラと機能性、および配信到達率のバランスがうまく取れているプロバイダーを見つけるようにしました。
でも、私は読者の皆さんの予算や必要としている機能はもちろん存じておりません。そのため、各プロバイダーのレビューのセクションでは、詳細な機能概要と現在の料金を提示いたします。
なお、すべてのプロバイダーが同じ料金体系を採用しているわけではない点にご注意ください。特に大量送信を行う場合や追加のメールツールが必要な際の注意事項は、本記事できちんとお伝えしますのでご留意下さい。
コンプライアンス
規制コンプライアンスは、特にフィンテック、医療、法務などの業界では必須です。SMTPプロバイダーを評価する際は、以下の主要な基準と機能を最優先で確認してください。
- 認証:SOC 2 Type II および ISO 27001 を確認しましょう。
- GDPR / HIPAA対応:転送中および保存時のデータ保護が確保されていることを確認しましょう。
- 認証とアクセス制御:SPF、DKIM、DMARC、鍵のローテーション、APIキーのスコープ設定の実施状況を評価しましょう。
- 監査可能性:詳細なメールログ、暗号化、アクセスレベル情報の追跡を確認しましょう。
参考までに、本記事でご紹介するSMTPサービスの詳細比較を実施しました。以下がその概要です。
| Mailtrap | Mailgun | SendGrid | Amazon SES | Postmark | |
| 規制コンプライアンス | 高い | 高い | 高い | 設定に依存する | 高い |
| データ居住地 | EU/米国 | EU/米国 | グローバル | 複数地域 | 米国 |
| 監査と説明責任 | 非常に優秀 | 良好 | 優良 | 詳細 | 良好 |
| アクセスとユーザー制御 | 詳細 | 良好 | 優良 | 広範 | 良好 |
| データ管理と保持 | 柔軟 | 柔軟 | 柔軟 | 設定可能 | 柔軟 |
| 法令遵守 | 強固 | 強固 | 強固 | 強固 | 強固 |
| 認証 | ISO 27001 | SOC 2 | SOC 2, ISO | 多数 (AWS) | SOC 2 |
方法論の詳細やプロバイダーの比較にご興味がある場合は、当社のSMTPプロバイダーコンプライアンス比較をご覧ください。
カスタマーサポートとユーザーエクスペリエンス
ライブチャット、メール、電話サポートなど、複数のサポートチャネルを提供するプロバイダーが理想的です。
掲示板や SNS、ソフトウェアカタログサイトにアクセスし、ご希望のサービスの有無をご確認ください。特にレビューやコメント欄をチェックして、サービス担当者がユーザーの質問や否定的なコメントにどれだけ迅速に回答しているか(または無回答か)を調べると良いでしょう。
次に、プロバイダーのドキュメントを確認します。これにより、どれほど迅速かつ容易にSMTPサービスを利用開始できるかを判断できます。また、ドキュメントはソフトウェアの複雑さやユーザー体験(UX)について理解する手掛かりにもなります。
例えばMailtrapでは、お客様に以下を提供しております。
- 詳細な設定ガイドとトラブルシューティングガイドを含むヘルプドキュメント
- ブログでは、実用的なコードやテンプレートを含む詳細なガイドを提供。
- 視覚的なガイドやステップバイステップチュートリアルを掲載したYouTubeチャンネル。
トランザクションメールの送信
個人的には、プロバイダーが優秀かを判断する材料の一つは、ユーザーがトリガーするメールを送信できるオプションがあるかどうかだと考えています。さらに様々なプログラミング言語(Python、PHP、Node.jsなど)向けの強力なAPIとSDKを提供している場合、そのプロバイダーが優秀である可能性は倍増します。
この点をふまえてAPIドキュメントを確認し、すべてが適切に文書化されていることを確認しましょう。また、インターネット上で他のユーザーがサービスの配信到達率や使いやすさについてどう言っているかも調べてみます。
でもそもそも、ユーザートリガー型メールとAPIを重視すべき理由は何でしょうか?
第一の理由は、APIを利用すればアプリやサービスからのメール送信を大幅に自動化できるからです。次に、ユーザートリガー型メール(登録確認メールなど)は顧客との最初の接点の一つだからです。したがって、あらゆるメールクライアントでシームレスに動作し、ブランドイメージを向上させるものであることを確認すべきです。
さらに特に開発段階にある場合、これらを支援するツールを提供しているプロバイダーを選ぶと良いでしょう。例として、Mailtrap MCPやPostmark MCPがあります。これらを使えばIDEと連携してメール送信を行ったり、ワークフローを効率化したりできます。
こうしたツールは必須ではなく比較的新しいものですが、確実に作業効率を向上させるアップデートと言えるでしょう。
マーケティングメール送信
私事ですが自分はマーケターなので、通常は自動化オプションと顧客セグメンテーション機能の有無を確認します。次に、メール作成の容易さ(例:ドラッグ&ドロップインターフェース)をチェックします。理想的には、既存のHTMLテンプレートをアップロードできることが望ましいでしょう。
顧客セグメンテーションに関しては、メールリストのインポート機能と、受信者を各メールやキャンペーンのコホートに簡単に割り当てられる方法が重要です。さらに、非アクティブな顧客、購読解除者、バウンスを簡単に削除できるツール(例:メールに一度も反応やインタラクションがないユーザーを表示するリスト管理オプションなど)があると良いでしょう。
最後に、A/Bテスト機能があれば各顧客層に最も響くメールの種類を容易に測定できるため、さらに良いでしょう。
さて、レビューに入る前に強調しておきたいのは、ほとんどのプロバイダーが基本プランでは全てのメールマーケティングサービスを提供していない点です。でもこれはごく一般的なことで、想定内と言えるでしょう。
免責事項:以下のレビューにはソフトウェアカタログの評価、価格、機能リストが含まれます。これらは執筆時点での情報で、本記事をお読みになる時点では変更されている可能性があります。
最高のSMTPプロバイダー:Mailtrapのメール配信システム
Mailtrapのメール配信システムは、大量のメール送信を行う企業向けに設計されたシステムです。高いメール配信到達率と最高水準の開発者体験に重点を置いた、信頼性の高いSMTPプロバイダーを求める開発チームに最適です。
Mailtrapは、アプリケーションとの迅速かつ容易な統合を実現する25以上の即利用可能なコードスニペットを提供しております。
配信到達率(デリバラビリティ)へのこだわりをお見せするために、GlockAppsでテストを実施したところ、当社SMTP経由のメールの93.2%が受信トレイまたはタブに到達しました(タブ行きはわずか5.8%)。
このような結果を見れば、Mailtrapのクライアント一覧にStackOverflow、PayPal、Atlassian、Adobeなどの企業様が含まれることもそれほど意外ではないでしょう。
料金
無料プランでは月間最大3,500通のメール送信が可能です。この無料プランは非常に充実しており、特にWebhook、メール分析、抑制管理などが含まれています。
大規模な送信を行う企業様には、最も人気の高いBusinessプランをお勧めします。月額85ドルからで、月間最大10万件の連絡先、配信率向上チームによるサポート、専用IPなどをご利用いただけます。詳細は料金ページをご確認ください。
メリットとデメリット
メリット
- Mailtrapはセキュアな(TLS/SSL)本番環境向け信頼性の高いインフラを提供しております。
- 長い認証フォームへの入力は不要で、システムとIPがスパム送信者から保護されるよう専門チームにより管理されています。
- 直感的なセットアップウィザードと、様々なプロジェクトタイプに対応した明確な設定ガイドが備わっているため、アプリケーションとの統合が容易です。
- 見やすいダッシュボード、ドリルダウンレポート、メールログによる実用的な詳細分析機能を使って、メールインフラのパフォーマンスを管理できます。
- Mailtrapはすべてのメール配信API/SMTPプランにおいてGDPR準拠とISO 27001認証を保持しています。
- 配信到達性(デリバラビリティ)の専門家と共に24時間365日の有人サポートを提供しており、あらゆる質問に対応可能です。
- トランザクションメールと一斉送信(バルク)メールは別々のストリームを提供しております。
- Claude、Cursor、VSCコードエディター経由でMCPサーバーとの連携を提供しております。
デメリット
- 現在、MailtrapはZapierやTabular emailなどのサービスとのみ連携可能ですが、今後より多くの連携機能を追加予定です。
SendGrid
SendGridは主に、様々なアプリケーションと統合可能なスケーラブルなメール配信サービスを必要とする開発者やマーケター向けに設計されており、大規模なユーザー生成メールやマーケティングメールを一つのプラットフォームで管理する企業に適しています。
ただし、設定の複雑さやサポート対応の遅さについて一部のユーザーからの指摘があります。また、2段階認証が必要な場合、AuthyかSMS経由でのみ利用可能です。SMSは電話番号に紐づくため、メールインフラに適した認証方法とは言えないでしょう。
料金体系
SendGridは開発者向けとマーケター向けのプランに分かれた段階的な料金体系を提供しており、いずれにも無料プランがあります。
- 開発者向けEssentialsプランは月額19.95ドルから。
- マーケター向けBasicプランは月額15ドルから。
一見すると料金体系はシンプルに見えますが、実際の構造はかなり複雑で、追加販売やアドオンが数多く存在し、実際のコストが急上昇する可能性があることに注意が必要です。
例えば、開発者向けEssentialsプランでは月間10万通のメール送信が可能です。ただし、チームメンバーは1名のみで、専用IPアドレスやSSO(シングルサインオン)は利用できません。これらの機能を利用するには、月額89.95ドルのより上位プランを選択する必要があります。
メリット
- 包括的なAPI:メールアクティビティ向けに堅牢なAPIを提供。キャンペーン最適化のための詳細な分析機能を含む。
- スケーラビリティ: 大量のメール処理に対応。
- 連携機能:様々なプラットフォームやアプリケーションとの連携が可能。
デメリット
- 設定の複雑さ: (特に高度な機能を利用する場合)初期設定と統合プロセスが複雑。
- カスタマーサポート:(特に低価格プランで)サポート対応が遅い場合がある。
- マーケティングオートメーション: アドバンスドマーケティングプランでのみ利用可能。
SendGridの代替サービスをお探しの方は、こちらの記事をご参照ください:SendGridの代替サービス
Mailgun
Mailgunは、ユーザートリガー型メール用のプログラム可能なSMTPサービスを必要とする開発者向けに設計されています。また最近では、Mailgunはマーケティングサービスも提供しています。
通常、このSMTPプロバイダーは、正確な制御と詳細なインサイトをもって大量のメールを管理したい技術に精通したユーザーに好まれています。主に中小企業に適しています。
ただし、DNSレコード経由の認証プロセスがやや煩雑である点には注意が必要です。また、大量送信時の総所有コスト(TCO)を慎重に検討する必要があります。
料金体系
Mailgunは無料プランを提供しており、いくつかの階層型プランではより多くの機能が利用可能で、送信制限も高くなっています。Basicプランは月額15ドルからですが、特にチームで作業する場合は制限事項に細心の注意を払ってください。
メリット
- 柔軟なAPI:開発者向けのAPIで、カスタム統合や自動化をサポート。
- 高い配信率:受信トレイ到達率を向上させる高度なメール検証ツールを搭載。
- 拡張性: パフォーマンスを損なうことなく、増加するメール要件に対応できる効果的な拡張性を備えています。
デメリット
- 習得の難易度: プラットフォームの強力な機能は複雑なため、新規ユーザーの場合、扱いに慣れるのに時間がかかる場合があります。
- 大量送信時の料金設定: 送信量が増えるほどコストが急上昇する可能性があり、すべての企業にとって費用対効果が高いとは限りません。
- DNSレコード: DNSを他者と共有するオプションがありません。
その他のMailgun代替サービスについては、リンク先の記事をご参照ください。また、包括的なMailgunとSendGridの比較記事もご用意しております。リンクをクリックして記事へ移動してください。
Mailchimp Transactional Email
G2: 4.2 Capterra: 該当なし
MailchimpTransactional Email(旧称Mandrill)は、マーケティングメールで既にMailchimpを利用していて、かつマーケティングとユーザートリガー型コミュニケーションが統合されたツールセットを求めるユーザー向けです。
Mailchimpエコシステムにまだ投資していない企業の場合は、コストやプラットフォームの複雑さを注意深く考慮すると良いでしょう。
料金体系
MailchimpTransactional EmailはメインのMailchimpアカウントへのアドオンなので、Mailchimp有料プランの利用が必須です。料金は送信メール量に基づき、メールブロック単位で設定されています。メールブロックあたりの単価は送信量が増えるほど低下します。
価格体系は不透明ではありませんが、このブロック単位の仕組みは若干分かりにくいかもしれません。
よって、計算ツールを使って料金を見積もることをお勧めします。例えば10万通のユーザートリガー型メールを送信する場合、Mailchimpはこれを4ブロック(各20ドル)に分割するため、月額の支払いは80ドルになります。
メリット
- 連携機能: Salesforce、Shopify、Wix、そして興味深いことにCanvaなど、複数のプラットフォームとの連携が可能です。
- ユーザーフレンドリーなインターフェース:直感的なドラッグ&ドロップエディターと豊富な事前デザイン済みテンプレートを利用できます。
- 機能:A/Bテスト、タイムワープ送信、詳細な分析機能などを搭載。ただしプランによる制限にご注意ください。
- 信頼性:コンプライアンス対応機能とレピュテーションモニタリングを標準装備。
デメリット
- コスト: メール送信量が多いユーザーの場合、高額になる可能性があります。Mailchimpのプランに加えて、トランザクションメールは追加料金が発生します。
- 非マーケターにはあまり直感的ではない: Mailchimpとの連携性は高いものの、Mailchimpプラットフォームに不慣れなユーザーには直感的とは思えない場合があるでしょう。
- サポートの制限:特に技術的な問題に関しては、サポートの対応が遅い、またはあまり有益ではない場合があるようです。
Mailchimp Transactionalと競合他社との比較については、リンク先の記事をご覧ください。さらに、適切な情報に基づいた判断を下すのに役立つチュートリアルを2つご紹介します。
Amazon SES
Amazon Simple Email Service (SES) は、拡張性が高く費用対効果に優れたメール送受信ソリューションを求める開発者向けに設計されています。特に、S3やLambdaなどのAWS エコシステムを既に利用しているユーザーに適しています。
強調しておきますが、SESはAWSクラウドベースサービス内で手頃な価格の拡張性のあるメールソリューションを求める、専門のメールインフラチームを擁する技術に精通した企業のみを対象としています。また、追加のAWSサポートサービスが必要になる可能性がある点にもご留意ください。
料金体系
Amazon SESは従量課金制を採用しており、送信・受信メール数および転送データ量に基づいて課金されます。
例えば、最下位プランでは送信メール1000通あたり0.10ドルで、受信メールも同様の料金がかかります。ただし料金体系はかなり構造化されていて複雑なため、公式ページを確認した上で、自社に適しているか判断することをお勧めします。
メリット
- コスパ:競争力のある価格設定で、特に大量送信者に有利です。
- 高いスケーラビリティ:AWSインフラを使っているので、メール量が急増してもサービス品質を低下させることなく容易に対応可能です。
- 柔軟な導入方法:アプリケーションからの直接送信、SES API、SMTPインターフェース、AWS SDKなど多様な送信手段を提供しています。
- AWSとの統合性:AWSエコシステムを利用中のユーザーの場合、他のAWSサービスとの完全に連携することで機能性が増します。
デメリット
- 設定の複雑さ: 設定と統合が複雑で、特にAWSサービスに不慣れなユーザーは難しいと感じるかもしれません。
- 機能制限: 強力な機能を備える一方、他のメールサービスプロバイダーに見られるマーケティングツールやビジュアルメールビルダーなどのユーザーフレンドリーな機能が一部不足しています。
- カスタマーサポート: 多くのAWSサービスと同様に、サポートは高額になる可能性があります。基本レベルのサポートだけでは足りないと感じるユーザーもいるでしょう。上位レベルのサポートを受けるには追加料金が発生します。
Amazon SESの代替サービスにご興味がある場合は、リンク先の記事をご確認ください。
Mailjet
Mailjetは主にメールマーケティングキャンペーン向けに設計されており、ユーザーがトリガーするメール送信オプションを提供する、シンプルなSMTPサーバープロバイダーです。メールのデザイン、送信、追跡に共同作業ツールを必要とするチームにとって魅力的でしょう。
例えば、WordPressサイトやECサイト向けのSMTP中継サービスが必要な場合、Mailjetは良い選択肢となり得ます。ただし、スケールに伴うコスト影響や必要なカスタマイズの程度についてご留意ください。
料金体系
Mailjetの料金体系は柔軟かつ段階的で、無料プランも提供しています。無料プランにはMailjetのブランド表示が含まれるため、テスト目的でしか使えない点にご注意ください。有料のEssentialプランは月額17ドルからです。
メリット
- ユーザーフレンドリーなインターフェース:直感的なドラッグ&ドロップ式メールエディターと共同作業ツールセットを備えているため、簡単にチームでメールキャンペーン制作に取り組めます。
- デュアル機能性:ユーザー生成メールとマーケティングメールの両方が効果的にサポートされています。
- EUデータコンプライアンス対応:欧州のデータ保護基準を厳格に遵守しているため、GDPR準拠を重視する企業に最適です。
デメリット
- カスタマイズの制限: インターフェースは使いやすいものの、テンプレートのカスタマイズオプションはやや限定的と感じるかもしれません。
- 大量送信者向け料金体系:メール送信量が増加するとコストが大幅に上昇する可能性があり、大規模企業には最適でない場合があります。
ちなみに、Mailjetの代替サービス(10選)についてもブログ記事を書きました。ぜひチェックしてみてください。
Postmark
Postmarkは、信頼性を損なうことなく一斉送信(バルク)メールやユーザートリガー型メールを送りたいマーケターや開発者向けです。
エンタープライズレベルのアプリケーションやWordPressサイトを運営し、即時のメール配信(注文確認、パスワードリセット、通知など)を優先したい場合、Postmarkは優れたプロバイダーです。
ただし、より包括的なマーケティングツールを必要とする場合や、予算が限られている中で大量のメールを運用する場合は、追加のソリューションやプロバイダーを検討する必要があるかもしれません。
料金体系
Postmarkは隠れた費用のないシンプルな料金体系を提供しています。無料プランは月間100通で、有料プランの料金は送信メール数に応じて段階的に設定されています。例えば、月間10万通の送信は115ドルです。
メリット
- 高い配信率:配信レピュテーションを積極的に管理でき、配信到達率に重点を置いています。
- 詳細な追跡機能:開封率、クリック率、配信状況などを監視できる詳細なインサイトと追跡機能を提供しています。
- 卓越したサポート:カスタマーサポートは高品質で、必要な時に詳細かつタイムリーな支援を受けられます。
デメリット
- 規模拡大に伴うコスト:サービス品質は高いものの、メール送信量が増加するとコストが大幅に上昇する可能性があるため、予算重視の企業には不向きな場合があります。
- 機能セット:効率的ではあるものの、より広範なマーケティングツールや自動化機能を提供する競合他社と比較すると、機能セットは基本的なものにとどまっていると言えるでしょう。
まとめ
SMTPプロバイダーの分野において、Mailtrapは高い配信到達率(デリバラビリティ)、詳細な分析機能、安全かつ迅速な拡張性に重点を置いており、開発者にとって理想的な選択肢です。さらに、無料メールの上限は寛大です(月間最大3,500通の送信)。
自社サービスについてこのような話をすると自慢話のように聞こえるかもしれませんが、これは単なる空約束ではありません。弊社では専門家チームが日々、よくある問題なく皆様のメールを受信トレイに届けるために尽力しております。ぜひ無料プランをお試しいただき、ご期待に見合ったサービスかどうかご確認ください。
最後に補足ですが、本記事ではBrevo(旧Sendinblue)やNetcoreのPepipostなど、優れたプロバイダー数社を取り上げていない旨、ご了承ください。
なお、フィンテックのような規制業界で活動し、安全でコンプライアンスに準拠したSMTPインフラを必要としている場合は、フィンテック向けSMTPプロバイダーのガイドをぜひご確認ください。
2025年に台頭するSMTPプロバイダーについてお知りになりたい方は、これについてまとめた動画をご覧ください。
