最も人気の無料SMTPサーバー10選をテスト・比較し、無料プランの中からビジネスや個人向けにぴったりなものを厳選しました。
本記事で取り上げたメールサーバーは、単に無料で送信できるメール数を比較したのではなく、無料プランの全体的な機能提供を考慮した上で選択しました。なおこの徹底レビューは大まかに以下の流れとなっています。
免責事項: この記事ではソフトウェアカタログの評価、料金、SMTP機能、無料・有料プランの利用可能性について言及しています。これらの情報は執筆時点で有効でしたが、あなたがこの記事をお読みになる時点で変更されている可能性があります。
優秀な無料SMTPサーバー: 概要
無料SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバーとは、共有されたSMTPインフラを使って個人や企業が無料でメールを送信できる仕組みです。多くの場合、小規模なメール運用に適した基本的な機能が備わっています。
以下のリストは、この記事で取り上げる無料SMTPサーバーとその使用例のまとめです。
- Mailtrap Email Delivery Platform:信頼性の高いSMTPサービスを求めている開発者やマーケティングチーム向け。
- Gmail:大規模なキャンペーン送信は行わないが、SMTPの学習を始めたい学生向け。
- SendGrid:エンタープライズや大規模企業向け。
- Mailgun:主にユーザーによってトリガーされたメールを扱うシンプルなSMTPを必要とする企業向け。
- Amazon SES:既存のAWSユーザーや開発者向け。
- Postmark:ユーザートリガーおよび一括(バルク)メール送信のためにシンプルなSMTPを必要とする企業向け。無料プランはサービスのテスト目的にのみ適しています。
- Mailchimp Transactional Email:ユーザートリガーのメールを送信したい既存のMailchimpユーザー向け。無料プランはサービスのテスト目的にのみ適しています。
- SMTP2GO:マーケティングやユーザートリガーのメール用にシンプルなSMTPを探している企業向け。
- Mailjet:フォームビルダーが備わった充実した無料プランを必要としているが、アナリティクスは基本的なもので十分な企業向け。
- MailerSend:スタートアップおよび成長企業向け。
無料で送信できるメール数と基本的な機能の概要を示した以下の表をご参照ください。プロバイダー名をクリックすると、詳細情報にジャンプできます。
無料SMTPプロバイダー | 無料メール数 | マーケティング(バルク・一括)およびトランザクションメール |
Mailtrap Email Delivery Platform | 1000通/月 | ✅ |
Gmail | 500〜2000通/日 | ⛔ |
SendGrid | 100通/日 | ✅ |
Mailgun | 100通/日 | ✅ |
Amazon SES | 3000通/月(12ヶ月間) | ✅ |
Postmark | 1000通/月 | ✅ |
Mailchimp Transactional Email | 500通/月(新規ユーザー向け) | ✅ (別サービス) |
SMTP2GO | 1000通/月 | ✅ |
Mailjet | 6000通/月 | ✅ |
MailerSend | 3000通/月 | ✅ |
無料SMTPサーバーの比較基準
最も優れた無料SMTPプロバイダーを見つけるために、技術的な仕様(メールインフラストラクチャなど)、ユーザーエクスペリエンス、提供されている機能(購読解除管理、分析など)を評価しました。
さらにメールマーケティングオプション、分析とトラッキング、そして支払いプランへのスムーズな移行可能性にも着目し、料金についても解説いたします。
以下のセクションはカテゴリごとに整理されており、ほとんどすべての項目を箇条書きにしたので、チェックリストとしてぜひご活用ください。
重要な注意: ここでのヒント、コツ、ベストプラクティスの例は、あなたのドメイン名がブロックリストに載っていないこと、そしてあなたが信頼される送信者であることを前提としています。
メールインフラストラクチャ
- 配信到達性(Deliverability): 高い配信到達性を確保するために、プロバイダーはDMARC、DKIM、SPFなどの認証プロトコルを提供する必要があります。同様にバウンスのアクティブ管理や苦情の管理も重要となります。Webhookはオプショナルですが、役に立つ追加機能です。
- 信頼性: 高い稼働率が重要で、稼働率を確認できるリンクやページが備わっているべきです。また冗長化サーバーのネットワーク、包括的なディザスタリカバリプラン、ロードバランシング技術によってサポートされているインフラストラクチャが理想的です。
- 拡張性: メール配信量が増加しても効率的に対応できるSMTPプロバイダーを見つけることが不可欠です。つまり事業のニーズが増しても過度に費用がかからないような料金体系を備えているプロバイダーを利用することが重要です。
ユーザーエクスペリエンス
- 使いやすさ: ユーザーフレンドリーで、技術的な知識の有無に関係なくメール配信を簡単に管理できることが必須です。使いやすさはセットアッププロセスの初期段階で評価できます。認証とUIをガイドしてくれるオンボーディングウィザードが提供されているのが理想です。
- ドキュメント: 明確で詳細なガイドやチュートリアルは、簡単にセットアップとトラブルシューティングを実行するために不可欠です。たとえばMailtrapは技術的なヘルプドキュメント、ブログ、そして視覚的なチュートリアルが好きな人向けにYouTubeチャンネルを提供しています。さらに技術者向けにはAPIがしっかりと文書化されています。
- サポート: 正直なところ、無料SMTPサービスに多くのサポートは期待できません。通常、サポートチケットを発行する、またはメールでサポートに問い合わせることができますが、無料ユーザーの優先度は低いでしょう。それでも全体的にどのようなサポートが提供されているかをご確認ください。複数のチャネルでサポートが提供されていて、迅速かつ役立つサポート提供の実績があることが大切です。
- 法令遵守: すべてのSMTPサービスプロバイダーは関連する法的基準およびデータ保護規制(GDPRおよびCAN-SPAM)に準拠し、ユーザー情報を保護する必要があります。プロバイダーの利用規約をご確認ください。
トランザクションメールの送信(ユーザートリガーメール)
トランザクションメールの送信では、アプリやウェブサイトから送信されるユーザートリガーのメールのサポートが重要になります。というのも、たとえばサインアップ確認メールやウェルカムメールはクライアントとの初めての接触点であり、ユーザーエクスペリエンスを大きく左右する可能性があるからです。以下のポイントに注意することが大切です。
- SMTPとAPIの柔軟性: さまざまな種類のユーザートリガーメールをサポートするための、SMTPおよびAPIの両方の統合オプションの有無。APIはビジネスが成長し、メール送信機能を自動化および最適化する必要がある場合に役立ちます。
- セットアップが簡単: オンボーディングプロセスがシンプルで、最小限のセットアップ時間で素早く統合できるかどうか。さらに重要なのは、マーケティングメールとは別にユーザートリガーメールを統合(つまり別の送信ストリームを取得)できることです。
- 詳細な分析: トランザクションメールのパフォーマンスを追跡・最適化するための詳細なデータにアクセスできるかどうか。たとえば低い到達率や多数のバウンス、ユーザートリガーメールの低いエンゲージメントは、インフラに潜在する大きな問題を示唆している可能性があります。
ユーザートリガーメールに最適なプロバイダーに関する詳細情報が必要な場合は、リンク先の記事をご覧ください。
ヒント: どんな用途でも、つまりマーケティング用でもユーザートリガーメール用であっても、詳細で有意義な分析は無料SMTPリレーにおいて重要な機能です。分析に制限を設けていないサービスがおすすめで、例としてMailtrap、Postmark、SendGridなどがあります。
マーケティングメールの送信
注: マーケティングメールやキャンペーンは特にトリガーや自動化、ドリップキャンペーンビルダーが含まれる場合、通常有料です。ツールを選ぶ際には、以下の項目に着目することをおすすめします。
- 自動化ワークフロー: 特定のトリガーに基づいてメールレスポンスを自動化し、効率的なキャンペーン管理を実現するツールの有無。前述の通り、自動化は有料プランでのみご利用いただけます。
- A/Bテスト: マーケティング戦略を効果的に改善するために、異なるバージョンのメールをテストする機能の有無。A/Bテストは無料プランでは通常提供されていませんが、スケールアップが必要な場合は重要な機能です。
- クリエイティブなメールテンプレート: 創造的なプロセスを強化するカスタマイズ可能なメールテンプレートが豊富なライブラリの有無。自分のテンプレートをアップロードできるオプションが無料プランにも含まれていると便利でしょう。
メールデザイン
- HTMLのカスタマイズ: 購読者向けに簡単にテンプレートをマッピングし、マージフィールドを追加するための高度なHTMLエディターの有無。
- 直感的なドラッグ&ドロップインターフェース: コーディングなしでメール作成を簡素化してくれるユーザーフレンドリーなビルダーの有無。
- メール送信テスト: テンプレートをテストする機能や、少なくとも様々なメールクライアントでのプレビューを表示するオプションの有無。無料プランではこの機能は通常提供されていませんが、Mailtrapでは100件のテンプレートを追加料金なしでテストできます。
カスタマーエクスペリエンス
- 本物のレビュー: サーバーの信頼性とパフォーマンスを強調する実際のユーザーからの評価があること。たとえば私はよくG2やCapterraを参照し、信頼性や顧客体験がだいたいどのような感じか把握するようにしています。
- 信頼できるという評判: 市場での評価が高く、ポジティブなレビューと信頼性のあるサービス実績があること。これは前述のすべてのポイントを集約したようなものです。プロバイダーは高い稼働率と優れたUXを備えていて、円滑にシステムが運営されている必要があります。この点を確認するには、特にX(旧Twitter)などのソーシャルメディアをチェックできます。プロバイダーが苦情や質問にどのように対応しているかを見ると、実際にどれだけ信頼できるかが分かるでしょう。
料金
料金体系を箇条書きだけで説明できればよいのですが、少し前置きが必要です。というのも料金は必ずしも私たちが希望しているほど明確ではないからで、プロバイダーごとに注意が必要な点を説明いたします。
無料プランの場合、以下を念頭に置いておくと良いでしょう。
- 無料プランの月ごと・日ごとのスループットの制限をきちんと確認するのは重要で、利用可能な機能の充実度に合った料金であるべきです。たとえば、あるプロバイダーは月に3,000通のメール送信を無料で許可するかもしれませんが、分析機能が制限されていて、プロバイダーのブランドがメールに表示される場合もあるでしょう。
- 無料プランが永遠に無料であるか(このリスト上のほとんどのプロバイダーはそうです)、あるいは何らかの時間の制限があるかをご確認ください。例としてAWSは新規ユーザーに12ヶ月間3,000通の無料メールを提供していて、最初はサンドボックス環境を使います(つまり本番稼働メールは送信できません)。
- 有料プランの場合、ご自身のニーズを慎重に評価してください。アカウントに複数のチームメンバーは必要ですか?30日間のメールログは必要ですか?自動化機能やビジュアルテンプレートビルダーは必要ですか?
- 最後に、もちろん料金が安ければ良いわけではありません。前述した重要な要素のバランスを考慮し、自らのニーズとまかなえる費用と比べてみましょう。そうすれば、ビジネスの成長にスムーズに対応できるソリューションが何か分かるでしょう。
ヒント: 優秀な有料SMTPプロバイダーおよびその機能の詳細をお知りになりたい場合は、リンク先の記事をご覧ください。
優秀な無料SMTPサーバー: Mailtrap Email Delivery Platform
Mailtrapは1ヵ所でメールインフラをテスト・送信・管理できるEmail Delivery Platform です。
信頼性の高いSMTPを備えつつ、配信到達性を重視しているMailtrapは、開発者やマーケティングチームにとって優れたソリューションになるでしょう。私たちが配信到達性にどれほど真剣に取り組んでいるかを、言葉だけでなく実際にお見せしたいと思います。以下はGlockAppsによるテストで、MailtrapのSMTPで93.2%が受信トレイ(Inbox + Tabs)に到達した結果を表しています。
なおMailtrapは学生、ソロプレナー、スタートアップ企業にもオススメです。無料プランでは1ヶ月に最大1000通、1日に200通のメールを送信できます。このプランには以下の機能が含まれています。
- SMTPおよびAPIへのアクセス(Mailtrap SDKを含む)
- バルクストリーム
- メールログと本文の3日間の保持
- メールの追跡と分析
- 抑止管理
- Webhook
- ドラッグアンドドロップのビジュアルテンプレートビルダー
- 1ヶ月に100通のメールテスト
ヒント: Mailtrap Email Delivery PlatformにはEmail API/SMTPとEmail Testingのソリューションが備わっています。前者はこの記事で取り上げている本番メール送信用で、後者はSMTPトラフィックをキャプチャしてメールをテストするサンドボックスソリューションです。
長所と短所
長所
- さまざまなプロジェクトに合わせて明確な指示がある直感的なセットアップウィザード
- 詳細な分析とドリルダウンレポートを生成できる見やすいダッシュボード
- インフラのパフォーマンスを監視するためのメールログ
- ドラッグ&ドロップを使ったビジュアルテンプレートビルダー
- TLS/SSLでの安全なSMTP(およびAPI)接続
- 年中無休・24時間対応の有人サポートであらゆる質問に対応
- ユーザートリガー(トランザクション)メールとバルクメール用の別個のストリーム
- 弊社のIPとシステムからスパム送信者を排除するための専門家チーム
- Mailtrap Email Testingはサンドボックス内でテンプレートをテストをするので、誤ってユーザーにメールを送信することを防げます
短所
- 無料プランのチームメンバーは1人のみ
制限
無料プランの制限はすでにいくつか述べましたが、以下が制限の詳細かつ構造化された概要です。
- 月に1000通のメール、1日200通の送信制限
- 送信ドメインは1つ
- ユーザーは1人(チームメンバーなし)
- 3日間のメールログと本文の保持
- 100件のメールテスト
- 専用IPやSSOなし
料金
Mailtrapの料金プランはBasic 10Kプランの月額$15から始まります。1ヶ月に1万通のメールを送信でき、日ごとの制限はありません。メールログと本文保持期間は5日間です。チームメンバーは1人に限られます。
複数のチームメンバーを追加するには、月額$85から始まるBusiness 100Kプランにアップグレードする必要があります。
Gmail
G2: N/A Capterra: 4.8
GmailのSMTPサービスはご紹介の必要もないかもしれません。2023年の調査によると、Gmailのアカウントユーザーは世界のメールクライアント市場の約29.5%を占めています。つまり、3人に1人がこのSMTPを使っているということです。
Gmailのサービスは大量のメールを送信する予定がない個人や小規模ビジネスにぴったりなソリューションです。ただしGoogleのSMTPは大量のメール送信やキャンペーンメール送信にはあまり向いていません。これには以下の2つの理由があります。
- DNSレコードを制御して認証プロトコルを確立する方法がない。
- メールのスループット、受信者数などに厳しい制限がある。制限の詳細はGoogle Workspaceの制限概要でご確認いただけます。
ですが、たとえばWordPressのウェブサイトにSMTPリレーサーバーを統合する方法を学び始めたい初心者にとって、Gmailは非常に良いソリューションです。
長所と短所
長所
- 制限はありますがGmailのインフラは素晴らしく、メールの配信到達性が高いです。
- 非常に使いやすく、他の環境にも簡単に統合できます。すべてのフローが詳細に文書化されています。
- 非技術者向けの優秀なソリューションの1つです。それでも個人、小規模企業、スタートアップ企業向けです。
短所
- DNS制御ができない。
- 送信とスループットに制限がある。
- トランザクションメールやマーケティングメールには適していない(特に成長中のビジネス向けではない)。
料金
Gmail SMTPは基本的に無料で利用できます。もちろんGoogle Workspaceソリューションは有料ですが、それでもGmailを介してキャンペーンメールを送信するべきではありません。DNSレコードの制御はできず、有料プランでも依然として制限があります。
SendGrid
SendGridは有名なメール配信サービスです。他のサービスとの比較にご興味がある場合は、Sendgrid vs. Mandrill vs. Mailgunの記事をご参照ください。簡単に言うと、SendGridはクラウドベースのSMTPプロバイダーとしてユーザートリガーのメールおよび一斉メール配信(バルクメール)向けにSMTPリレー、Web API、Webhookを提供しています。
その他、次のような機能も備えています。
- メール認証
- 配信最適化ツール
- 配信到達性の洞察と分析
- 動的テンプレートエディタ
- 専用IPアドレス(有料)
- サブユーザー管理(有料)
- メールアドレスの検証(有料)
長所と短所
長所
- SendGridは強力な稼働率を誇り、サービスプロバイダーの障害によるキャンペーンの中断の可能性はほとんどありません。
- 増えるビジネスニーズにうまく適応でき、予想通りのパフォーマンスで大量のメールを処理してくれます。
- 多くのプラットフォームとシームレスに統合するので、さまざまなアプリケーションの実用性が高まります。
- 詳細なレポート、開封率やクリック率などのメールパフォーマンス指標に関する深い洞察を提供してくれます。でもドリルダウンメニューがあまり直感的な作りではないため、ダッシュボードに慣れるには時間がかかるかもしれません。
短所
- カスタマイズオプションはSendGridの強みですが、技術的な専門知識が必要な場合が少なくありません。コーディングスキルがない人にとっては、チャレンジングになる場合があります。
- 使い始めは複雑なインターフェースが使いずらいと感じることもあるでしょう。というのも特にサブメニュー(例:メール統計と分析)が非常に多く、検索オプションが少ないからです。
- SendGridのユーザーの間で、カスタマーサポートの効率性と応答具合に関して賛否両論あります。基本的に無料プランは優先度が最も低く、サポートチケットを提出するしかないので、解決までに数日かかることがあります。
料金
無料プランでは1日あたり100通のメールを永久に送信できます。有料サブスクリプションにはEssentials、Pro、Premierの各プランがあります。月額$19.95から始まるEssentialsプランでは、5万通のメールを送信できます。なおこれら料金は概算であり、税金や超過料金が適用される場合があります。
注: プラン名にご注意ください。SendGridの各「Email APIプラン」には、SMTPリレーも備わっています。
Mailgun
Mailgunはメールサービスプロバイダー (ESP) として無料のSMTPメールサーバーを提供しており、開発者やマーケターはMailgunを使ってユーザートリガーのメールやマーケティングメールを送信できます。最も簡単にメール配信を開始するには、SMTPリレーサービスを使用します。
無料のリレーに加えて、以下の機能も利用できます。
- Email API、SMTPリレー、Webhook
- メール追跡と分析
- 抑止リスト管理
- ドラッグアンドドロップテンプレートビルダー
- 専用IP(有料)
- メールアドレスの検証(有料)
長所と短所
長所
- Mailgunの強力なAPIはSMTPリレーに加えて高い評価を得ており、APIを使うとメールキャンペーンの管理をより柔軟かつ詳細に行えます。
- Mailgunはユーザートリガー(トランザクション)メールの処理において信頼性があります。
- キャンペーンのパフォーマンス向上のためにリスト管理機能とメール検証ツールを備えています。ただし、いくつかの検証ツールは有料の追加機能として提供される場合もあります。
短所
- 主にエンジニア向けに設計されているため、技術に詳しくないプロフェッショナルは設定が難しいと感じるかもしれません。
MailgunとSendGridの比較をご確認されたい場合は、リンク先の記事をご覧下さい◀️。
料金
1日あたり100通のメールを無料で送信できます。Basicプランは月額$15から始まり、1万通のメールを送信できます。
従量課金オプション(Flexプラン)も提供されていますが、料金ページには掲載されていません。クレジットカード情報を入力するか、有料プランからダウングレードする際のみアクセスできます。Flexプランでは1,000通ごとに$1が課金されます。
Amazon SES
Amazon SES (Simple Email Service) はメールを介してユーザーとコミュニケーションを取る企業向けのクラウドベースのプラットフォームです。SESは次に挙げるメール送信インターフェースを提供しています。
- コンソール
- SMTPインターフェース
- AWS SDKまたはAWS CLI経由でのAPI
SMTPインターフェースを使うとAmazon SESをアプリ、メールクライアント、チケッティングシステム、eコマース、その他のソフトウェアに統合できます。なお追加機能には以下が含まれます。
- メール送信アクティビティを監視するためのさまざまな方法
- 送信者の評価(レピュテーション)ダッシュボード
- 柔軟なメール受信オプション
- メール送信テスト用のメールボックスシミュレーター
- 業界標準の認証メカニズムへの対応: SPF、DKIM、DMARC
- メールのパーソナライズ
- 高い到達率
- 専用IPアドレス(有料)
長所と短所
長所
- Amazon SESは他のメールサービスと比較して、低コストのソリューションとして知られています。既にAmazonのクラウドサービスを使用している場合、特に安価になるでしょう。
- プラットフォームは強力なインフラを備えているため、SESは非常に拡張性と信頼性が高く、大規模なメール配信の処理やさまざまな使用例に適しています。
- 配信到達性が高く、メールが受信者に確実に届く旨、ユーザーより報告があります。
- 他のAWSサービスとの統合が簡単で、APIがしっかりと文書化されているため開発者にうってつけです。
短所
- 非開発者のプロフェッショナルやAWSのエコシステムに慣れていない方にとってはセットアッププロセスが複雑で、あまり使いやすくありません。簡単に言うと、多くのコーディングが必要です。
- 詳細なメール追跡や分析には、サードパーティのサービスや独自のソリューションを作成しなければいけない場合があります。
- 新しいアカウントはサンドボックス環境から始まり、厳しい送信制限があるため、大量のメール送信がすぐに必要な新規ユーザーには障害となる可能性があります。
非開発者向けのSESの代替サービスをお探しの場合、リンクをぜひクリックしてみてください😀
料金
SESの料金システムに前払い費用やサブスクリプションはありません。メール1,000通の送受信ごとに$0.10が課金されます。メール内のデータは追加料金が発生し、1ギガバイトあたり$0.12が課金されます。
無料利用枠があるので毎月最初の6万2,000通のメールを無料で送信できます。ただしこれらのメールはAmazon EC2上でホストされているアプリから送信する必要があります。最初の1,000通のメール受信も無料です。この記事冒頭の表にも記載されている通り、新規ユーザー向けの無料プランでは12ヶ月間に3,000通のメールを送信できます。
Postmark
Postmarkはトランザクションメールサービスとして良い評判があり、スピーディーな配信と優れたサポートを提供することで知られています。主にパスワードリセットや注文確認などのトランザクションメールに特化しており、その信頼性が高く評価されています。
また大量のマーケティングメールを送信できるバルクストリームも提供しており、ニュースレターやプロモーションメールなどの送信に対応できます。Postmarkの主要な機能は以下の通りです。
- SMTPおよびAPIサービス
- 配信到達性の詳細な分析
- 異なるメールタイプに対する個別のストリーム
長所と短所
長所
- 信頼できるメールサーバーと高い到達率
- バルクメールとユーザートリガーメール(トランザクションメール)用の別個のストリーム
- 超長期のメッセージ保持(45日)
- ユーザーフレンドリーなインターフェースとシンプルなセットアップ
- ドキュメントが充実
短所
- ドラッグアンドドロップのビジュアルエディタがなく、HTMLとテキストの間でしか切り替えができない
- カスタマーサポートは平日9:00〜18:00(米国東部標準時 EST)に限られている
更新(2024年9月17日): SSL証明書の問題によりPostmarkで8時間のダウンタイムが発生しました。
料金
Postmarkの料金は送信されるメールの量で上下し、月に最大100通のメールを無料で送信できます。機能に実質的な制限はなく(たとえばマーケティング自動化を設定し、拡張されたメールログを持つことも可能です)、無料プランでは100通のメールを送信できます。有料プランは月額$15からあり、最大1万通のメールを送信できるため、さまざまな規模のビジネスにとってコスパの良いオプションとなっています。
Mailchimp Transactional Email
G2: 4.2 Capterra: 4.5(プラットフォーム全体の評価)
以前はMandrillとして知られていたMailchimp Transactional Emailは、有料の追加サービスとしてユーザートリガーのメールを送信できます。そのため既存のMailchimpユーザーにとっては優れたソリューションとなる可能性があります。
これは有料の追加機能ですが、新規ユーザーには登録済みドメインを通じて最大500通のメールを無料で送信する権利が与えられます。大きな数ではありませんが、本記事で取り上げた他のプロバイダーと比べると若干寛大と言えるでしょう。
注目すべき機能には以下の通りですが、すべてが無料で利用できるわけではない旨、ご留意ください。
- ハンドルバーまたはマージタグを使用した高度なテンプレート機能
- 共同レポートおよびA/Bテスト
- ルールエンジンで送信メールおよび受信メールを管理
- 柔軟なメール送信オプション
長所と短所
長所
- 統一的なアプローチを求めている既存のMailchimpユーザーにとっては特に優れたサービスです。
- 無料トライアルの内容は悪くありません。
- 特にSMTP統合を希望するユーザー向けのドキュメントが充実しています。
短所
- 大規模なメール配信をする場合は料金が高くなってしまう可能性があります。
- 無料プランのカスタマーサポートは限定的です。
- Mailchimpのエコシステムに慣れていない場合、UIに少し困惑するかもしれません。
この追加サービスの代替サービスを探している場合は、リンクをクリックしてみてください◀️。
料金
前述の通り新規ユーザーには500通の無料メールが提供されますが、実際にはトライアルのようなもので、本当の無料プランではありません。実際の料金はメールブロック単位で区分され、1ブロックあたり$10〜$20を支払うことになります。多くのブロックを購入すればするほど、料金は安くなります。
たとえば月に1万通のメールを送信したい場合、Mailchimpはこれを1つの$20のメールブロックとしてみなします。いずれにしても料金体系がご自身のニーズに合っているかを確認するために、Mailchimpの見積もり計算機を使われることをお勧めします。
SMTP2GO
SMTP2GOは2006年からメール配信サービスを提供している信頼できるSMTPサーバーです。新規登録者は1ヶ月に1,000通のメールを無料で送信できます。
なおSMTP2GOでメールを送信するには、メール送信ツールやアプリに統合する必要があります。提供しているサービスは以下の通りです。
- 高い配信到達性
- 詳細なレポート機能
- 分かりやすいAPI
- スパムチェックやメールクライアントごとのプレビューが可能なメールテストツール(上位プラン)
長所と短所
長所
- SMTP2GOは送信ドメインやメールテンプレートが損なわれていない限り、安定したメール配信サービスを提供します。
- 設定プロセスがシンプルなので、非技術者やマーケターにも適しています。
- メール配信を詳細に追跡します。
- さまざまなメール配信ニーズをカバーする包括的な機能セットを提供しています。
短所
- 予算に制約があるユーザーにとって、SMTP2GOのプランは他のサービスと比べて高価になってしまう可能性があります。
- 他のソフトウェアやプラットフォームとの統合にいくつかの制約があります。
料金
月に千通から4万通のメールを送信する場合、月額$10のスタータープランが良いでしょう。ただしサブスクリプションプランの制限内でメール送信をするか、追加のメール送信分を購入するかによって料金が変動します。(追加メールは1,000通ごとに$1課金されます。)
プロフェッショナルプランは月額$75からで、10万通のメールを送信でき、専用IPやメールテストツールを利用できます。300万通以上の大規模配信をする送信者向けにはプレミアプランのカスタム料金が提供されます。
Mailjet
Mailjetはマーケティングキャンペーンおよびユーザートリガーのメールをデザイン・送信できるメールサービスプロバイダーです。主に開発者とマーケターに適しています。
無料のSMTPサーバーを提供しており、SMTPリレーとしてアプリ内で簡単に統合できます。さらに類似のソリューションとは異なり、Mailjetは複数のSMTPポートをサポートしています。
そのため実際にはTLSまたはSSL暗号化によってメールのセキュリティが強化され、メールがスパムフォルダーに入ったり、インターネットサービスプロバイダー(ISP)によってブロックされたりするのを防ぎます。従来のHTTP接続を好む場合は、Mailjet Send APIの利用も可能です。
注目すべき機能は以下のとおりです。
- API、SMTPリレー、Webhook
- 複数のSMTPポート対応
- 受信トレイへの高い到達率
- メールパフォーマンスをリアルタイムで監視するダッシュボード
- トランザクションメールのテンプレートとエディタ
- 専用IP(有料)
- A/Bテスト(有料)
- 複数ユーザーのコラボレーション(有料)
長所と短所
長所
- Mailjetは料金と機能のバランスがうまく取れていて、とても優秀なプラットフォームです。
- 無料プランは本記事で取り上げているサーバーの中で最も充実した内容ですが、配信到達性の統計には制限があります。
- 他のプラットフォームとの統合オプションが豊富で、技術スタックへの適応に苦労することはないでしょう。
短所
- 一部のユーザーはサポートが遅いと報告しています。
なお、さらに多くの情報を基にサーバーをお選びいただけるようMailjetの代替10選をテストしました。ご興味がありましたら、ぜひリンクをクリックしてみてください。
料金
無料プランでは月に6,000通のメールを送信できます。クレジットカード情報の提供やカードの有効期限を心配せず、無料で利用できます。ただし配信到達性に関する基本的な統計しか提供されません。
さらに多くのメール配信が必要な場合は、Essential、Premium、カスタムプランのいずれかを選択する必要があります。Essentialプランは月額$17からで、1万5,000通のメール送信とSMTPおよびメールエディタを備えています。
MailerSend
MailerSendは開発者向けに作られたトランザクションメールおよびSMS通知サービスです。MailerSendを使うと開発者は迅速かつ簡単にトランザクションメッセージングをスタックに実装できます。同時に非技術的なチームでも使えるデザインなので、コンテンツやデザイン、ビジネスメッセージングの側面に取り組んでもらえるでしょう。MailerSendはAPIまたはSMTPを介してアプリに統合できます。
以下が機能の概要です。
- SMTPおよびRESTful API
- メールアドレス検証
- 抑止リスト管理
- メール追跡と分析
- ドラッグアンドドロップ、HTML、リッチテキストのメールビルダー
- 専用IP(有料)
- インバウンドルーティング(有料)
- トランザクションSMS(有料)
長所と短所
長所
- MailerSendは特に小規模なビジネスやスタートアップ向けに、非常に充実した無料プランを提供しています。
- サービスはユーザーフレンドリーで設定も簡単なため、開発者と非開発者チームの両方に適しています。
- コーディングの必要はなく、ドラッグアンドドロップビルダーでレスポンシブ対応のテンプレートを作成できます。
- バウンス管理、詳細な配信ログ、2FAなど、いくつかの高度な機能も利用可能です。
短所
- 無料プランではテンプレートの数が限られています。
- メールの送信数が増えると、他のサービスと比べて料金のコスパが下がってしまう場合があります。
料金
無料のホビープランでは3,000通のメールとSMTP、メールAPI、メールサポートへのアクセスが付いてきます。追加のメールは1,000通ごとに$1.00の料金がかかります。
さらに多くの配信量が必要な場合、スタータープランが月額$28で提供されております。このプランには5万通のメール、100件のSMSメッセージ、100件のメール検証クレジットが備わっています。超過分は1,000通ごとに$0.95、SMSメッセージごとに$1.40が課金されます。
注: Brevo(旧Sendinblue)も安定したサービスを提供しており、魅力的なオファーもありますが、あいにく本記事では取り上げませんでした。
総括
ニーズに合った無料SMTPサーバーの選択は、予算を抑えながらメールキャンペーンを強化するために非常に重要です。本記事で触れた通り配信到達性、拡張性、カスタマーサポートなどの機能は、メールパフォーマンスと満足度に大きな影響を与えます。
よってこの記事で取り上げたすべての情報を考慮し、自らのニーズをきちんと理解した上で、あなたの期待以上のサービスを提供してくれるプロバイダーをお選びください(Mailtrapを選んでいただけることを願っています😀)。